契約書作成の目的
メーカーであれば原料を仕入れて製品を販売することで利益を上げますし、サービス業であればサービスを提供することで利益を上げます。この過程では、前者であれば売買契約がありますし、後者であれば業務委託契約などがあります。対内的にも、会社と取締役との間には委任契約がありますし、会社と従業員との間には雇用契約があります。このように、事業を営むうえで契約の締結は絶対にしなくてはなりません。
契約の締結といえば契約書を想起される方も多いでしょう。他方、継続的な関係のある企業間ですと契約書を作成しないこともあります。では、契約書は契約の締結においてどのような意味を持つのでしょう?
実は、契約の締結には基本的に契約書は不要です。保証契約のように書面で締結することが必要なものもありますが、基本的には意思の合致で成立します。コンビニでおにぎりを買うような場合に契約書を作ることはありませんが、これも立派な売買契約です。
必要とされていない場合にも契約書を作るのは、契約の内容を明確にすることが目的です。上記のように意思の合致で成立しますが、口頭で合意しただけだと、内容について理解に齟齬があったり、都合の悪い側が合意の存在を否定したりすることがあります。そのようなことを回避することが契約書作成の目的、言い換えると、どのような内容で合意したかの証拠を残すことが目的なのです。
契約書の作成目的がこのようなものである以上、契約書の表現は明確であることが大事です。弁護士でない方が作成された契約書を拝見すると、努力されたことがよく分かる契約書も多いのですが、残念ながら内容がおざなりものも多いです。お互いがWin-Winの関係にある間は内容が不明確でも問題が顕在化しませんが、一方が不利益を受けるようになると、不利になった側は契約の内容は実は違うと主張したくなります。契約書のないようが不明確だと、そのように主張することができてしまい、トラブルの原因になります。一度トラブルが起きると、その解決には多大な労力と費用がかかります。トラブル回避のためには、契約書は弁護士に作成を依頼したり、内容をレビューしてもらったりすることがとても重要です。もちろん費用はかかりますが、トラブルが顕在化した場合に要する労力や費用に比べれば大したものではありません。ビジネスをつつがなく成功させたい場合は、弁護士にる契約書作成や契約書レビューをお勧めします。