会社が海外に拠点を設ける場合の進出形態とは?
グローバル化した現代社会においては、大企業のみならず中小企業も海外進出を図らなくてはいけないようになりつつあります。
そのような場合、どのような形態で進出するのが望ましいかが気になるところですが、重要なのは進出の目的です。
進出の目的によってどのような形態がよいかが変わってきます。
今回は海外に拠点を設ける場合の進出形態について解説します。
海外に拠点を設ける理由
会社が海外に拠点を設ける理由にはいろいろなものがありますが、次のようなものが多いです。
- 海外での迅速な顧客対応や情報収集を目的とする拠点の設立
- 元請けの依頼等による製造拠点の設立や事業の拡大を目的とする拠点の設立
それぞれ確認していきましょう。
海外での迅速な顧客対応や情報収集のための拠点の設立
現代社会ではオンラインでのやりとりで済むことも多く、拠点が不要なことも増えています。
しかし、物を取り扱っているような業種であればオンラインで済ませられないこともあります。
また、現地の商慣習や国民気質のようなものは実際に現地に赴かなくては理解できません。
そのような点で、海外に拠点を設ける必要がある場合が生じます。
現地の制度にもよりますが、このような場合は特に法人を設立する必要はなく、本社の名前で事務所を借りれば足りることがほとんどでしょう。
元請けの依頼等による製造拠点の設立や事業の拡大を目的とする拠点の設立
海外進出を考える理由として多いのはこれかと思います。
この場合は、現地に100%子会社を設立したり、現地企業と合弁企業を設立したり、現地企業を買収したりすることが考えられます。
100%子会社の設立は、本社で全部コントロールできるメリットがありますが、会社が動き出すまでにかなりの時間と費用がかかりますし、必要な許認可をなかなか取得できない場合もあります。
合弁企業の設立は、必要な土地や建物は相手方から現物出資してもらうことが可能ですし、許認可の問題もクリアしやすいですが、各種手続を日本サイドに丸投げすることが多いですし、撤退する場合に(海外進出に際しては撤退を常に念頭に置く必要があります。)合弁相手と揉める恐れもあります。
現地企業の買収は、100%子会社の設立と同様に本社で全部コントロールできますが、買収先のデューデリジェンスや多額の費用が必要になりますし、撤退時に売却できない恐れがあります。
いずれにしても、時間や費用、相手国の制度を踏まえて慎重に検討する必要があります。
まとめ
今回は、会社が海外に拠点を設ける場合の進出形態について解説しました。
海外進出をする場合、まずは何を目的として進出するのかをしっかりと考えることが重要です。
そのうえで、どのような形態で拠点を設けるべきなのかを検討する必要があります。
海外進出は大きなチャンスであるとともに、リスクがつきまとうことでもあるので、検討されている場合には、弁護士に相談する事をおすすめします。